今回は、「ガス缶にマッチした最小チタンマグ」についてです。
ご承知のとおり、山用のガス缶は110g、250g、500gなどのサイズがあります。
ウルトラライトという、このブログの主旨に従い、一番小さくて軽量な、110gのガス缶の入るものをピックアップしてみました。
まずはこちら、snowpeak(スノーピーク)社の「チタントレック700」。
重量は公称136gです。筆者が実測したところ、マグは93g、リッドは35gで、その総重量は128gとなりました。(メーカーの公称値はメッシュネット込みなのでしょうか?)
カタログにもあるように、110gのガス缶と同社製のギガストーブ「地」が収納できます。
マグの端にリッドをひっかけられるつくりになっていて、リッド自体も水切り穴があけられていてパスタをゆでる際にもたいへん便利です。
ちなみに、フタの上にも110gのガス缶を載せて収納できるようになっています。
フタが重厚すぎて重いのが難点ですね…。車やバイクツーリングなどでは多少の重量があってもコンパクトであれば問題がないので、この組み合わせはアリだと思います。
つづいては、
Belmont(ベルモント)社の「チタンシングルマグ700フォールディングハンドル」。
この実物、目にしたことありましたか?この使い手のかたは、かなり稀だと思います。
その重量は公称100g。実測で93gでした。この組み合わせの総重量は128gですね。
写真のフタは、先ほどのスノピチタントレック700のリッド(35g)を流用してのせたものですが、ぴったりとあいます。
それもそのはず、こちらのマグも110gのガス缶が入る口径にデザインされているのです。
重量も同じなので、スノピのマグと同仕様か…と思いきや、じつはそうではありません。
ここで、比較しないと気づかない写真をお見せしましょう。
同口径なのですが、高さが全然違います…なんということでしょう。
スノピのチタントレック700の内面にある、喫水線をみると、随分低い位置に400ml、500mlのラインがきってあります。
スノピのほうは700mlの水量を入れた状態でお湯沸かしができ、ベルモントのそれは容量が700mlで、実際にお湯沸かしのできる水量は600ml程度と考えています。
スノピのほうが容積比では軽量につくられていますが、よりコンパクトさを求めるのであればベルモント、という選択になると思います。
もうひとつ、同口径の小さなマグがあります。
もう、おわかりですね…そう、Evernew(エバニュー)社の「チタンカップ400FD」です。
その重量は50g。さきほどのスノピのリッド35gがぴったりハマります。合計重量は85g。
どうでしょうか。ウルトラライトっぽくなってきたでしょう。
ちなみに、ガス缶を入れてフタを閉めようとするとこうなります。
フタをするためには、ガス缶を中に格納することはできません。
どうするのかというと、フタの上にのせ、メッシュバッグでしぼって固定するという要領です。
今回はガス缶の入るチタンマグということで、できるだけコンパクトで軽量なものをピックアップしてみました。
筆者としては、同口径のチタンマグがこれだけ揃っているので、プロトタイプ版を製作していた400FD用のリッドを、ほかの同口径のマグにもきちんと適合させたいと思っています。
スノピのリッドも品質はよいのですが、35gはやはりちょっと重たいですよね…。
試作したリッドは、0.5mm厚のアルミニウムで12gでした。約3分の1の重さです。
これならば、どのチタンマグとあわせても、非常に軽いミニマルポットを実現できそうです。
マグをそろえるまで、正式な金型の設計をペンディングにしていましたが、これで目端がつきました。
これでようやく図面をおこせます。ふっふっふっ…。