~ウルトラライトハイキング関連の本~
「ウルトラライトハイキング」 (山と渓谷社、土屋智哉氏、1620円※Kindle版1200円)
東京は三鷹にある、ウルトラライト系のセレクトショップオーナー土屋さんの著書。アメリカで生まれた「ウルトラライト」なハイキングスタイルについて、その歴史から実践までを詳しく解説しています。ガチガチの重量装備で挑む登山、ではなくてうまく工夫してもっと荷物を軽くすれば負担が少なく、楽しめる旅になるんじゃないの?という切り口は目からウロコ。まずはこれを読んで、もっと極めたくなったらレイ・ジャーディンの本(洋書)を読むといいかも。
「ウルトラライトハイキングギア」 (山と渓谷社、寺沢英明氏、1620円※Kindle版1200円)
道具へのこだわりが半端ではない、この本のコピーは「山より道具」。長く歩くための軽量装備について研究し、解説されています。
第一弾「ウルトラライトハイキング」がその哲学や精神性を軸にして話の展開がなされていましたが、この本は文字通り「道具」が軸となっていいます。街の大きな登山用品店にはないレベルの道具たちが次々と登場しますので、道具好きとしてはやめられない、とまらないの一冊。
「ウルトラライトハイカー」 (山と渓谷社、ハイカー10組、1620円※Kindle版1200円)
著名ウルトラライトハイカー10組の装備を披露。各組のTips、ギアリスト、食事例などどれも参考になるものが満載。定番となっている装備は重ねて登場しますが、それによってその信頼性も確認できます。たとえば、ファイントラックの「ツェルトⅡロング」は採用されている方が多く、自分自身の経験とあわせて「うんうん、やっぱそうだよね」と納得したり。自分で網羅できていないような軽量化ポイントも、気づきを得られます。ベンチマークとしては最強クラスの「猛者達の秘密」がここに。
(ヤマケイ文庫、コリン・フレッチャー 著, 芦沢一洋 訳、2310円※Kindle版1760円)
ながらく絶版となっていた、コリンフレッチャーの名著、「遊歩大全」の文庫本の復刻版。オリジナル本はまだヤフオクで高値をつけており、中古の上下巻セットが5000円を下りません。(※2013年11月現在)
「The New Complete Walker」という洋書の翻訳で、内容は古くなっている部分もあります。が、当時の若者がバックパッキング、ウィルダネスへの憧れを持つきっかけとなった名著で読むべき価値はあります。
(晶文社、シェリダン・アンダーソン著/田淵 義雄著, 翻訳、1728円)
こちらも古い本なのですが、キャンプやハイキングの本質をおさえていて、非常に面白く読めます。
商業主義的な装備の提案・斡旋をせず、「空き缶がいいポットになる」とか、こういうものはわざわざ買わなくてよろしい、とか本質以外のものをバッサリきってすてるようなところに好感が持てます。後半の訳者の解説も秀逸。20年以上前の本ですが、その内容は錆びていません。
「ジョン・ミューア・トレイルを行く―バックパッキング340キロ」
日本のロングトレイル文化の草分けともいえる故加藤則芳氏の超有名本。JMT(ジョン・ミューア・トレイル)について書かれた、数少ない貴重な一冊です。1999年に発売されたもので、今では古くなってしまったところもありますが、彼が綴ったトレイルについての思いがひしひしと伝わってきます。ちょっと前に復刻されていたようなのですが、また在庫がないようです。Amazonのオンラインペーパーバック(オンデマンド印刷)でも購入できるようです。ここ
「メインの森をめざして-アパラチアン・トレイル3500キロを歩く」
前述の著書に続き、加藤則芳氏が歩いたAT(アパラチアン・トレイル)について書かれたトレイル本。トリプルクラウンのひとつだけあって、JMTよりも長期の旅となっています。トレイルで出会う自然、ほかのハイカーとの交流など、思わず行ってみたくなること請け合い。こちらもおすすめ。※ちなみに、加藤氏はウルトラライト路線の方ではありません。装備はグレゴリーの堅牢なバックパック、ノートPCやカメラなど重装備です。でも、彼の装備への取り組み・考え方はとても勉強になります。
「LONG TRAIL HIKING ロングトレイルを歩くために」
リーズナブルでオシャレ、ロングトレイルの「味見」には良本です。アメリカ西海岸のPCT(パシフィック・クレスト・トレイル)を紹介しています。
実践本というわけではなく、ロングトレイルってこんなに楽しいものですよ、という雰囲気を教えてくれるところがこの本のよいところ。ページ数もそれほどないので、一気にスルっと読めます。巻末には日本のトレイルについてもまとめてあって、こちらもご一読を。
ロングトレイル協議会推薦ガイドブック。定番の国内トレイル8ルートを詳しく紹介。特に登山口の情報がエスケープも含めてありがたいところです。関西地区のダイヤモンドトレイルはあの加藤芳樹さんが書かれています。過去にダイトレはおろか、大阪府の県境をすべて歩きつなげようとされていたご様子…さすがです。
個人的には「北根室ランチウェイ」に興味津々…(ヒグマが怖いですが)
(誠文堂新光社、根津 貴央 (著), シェルパ斉藤 (監修)、1728円)
わかりやすくロングトレイルについて紹介しています。ビギナー的な姿勢で書かれていますが、それまでに訓練を積んだ方のようです。これを真に受けて、山歩きの経験のない初心者がいきなりロングトレイルから始めてはダメです。と、思ったらちゃんと最後には現実的な山歩きからはじめて国内トレイルを紹介するような構成になっていました。著者はPCTをスルーハイクしていますが、完歩だけにこだわらない楽しむ姿勢が気楽で素敵です。楽しめますが、この本だけで旅立たないようにご注意を…
ガレージメーカーのはしくれとして、筆者のプロダクトがこういった山道具の本に載ることを夢見ています。
超軽量が売りではありますが、オーソドックスな「リッド」だけだと、地味なのでなかなか難しいかもしれませんね…もっとがんばろ。 (^_^;追伸:
最近になって考え方がかわったというか、無理に商用ベースにのらなくても、支持してくれるハイカーがいてくれたら、それで充分なことではないかと思うようになりました。ハイカーである仲間が「いいね」といってくれることが一番大切なんですよね。頑張った結果、たまたま本にも載った。そんなふうに努力しつづけたいものです。
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